叙勲・ 園遊会の着物
叙勲・ 園遊会の着物
宮内庁からの御文には「黒または色の紋付き」とあるようです。「紋付き」であればどちらでもよいという内容でした。
しかし実際には、女性のかたはほとんど色留袖をお召しになっているようです。
宮中 での授賞式の留袖には、手書き友禅、あるいは友禅に手刺繍や摺箔が施された着物を。友禅模様は格式のある吉祥模様や正倉院文様などのもの がふさわしいでしょう。
色無地 紋付きの着物で参内する場合は、日向(陽)五つ紋付きを着用します。地紋のある縮緬(紋意匠縮緬)dw、地紋は紗綾形、檜垣、青海波などを。留 袖にせよ色無地にせよ、白の比翼重ね、白絹躾糸で美しい縫い目のある「ぐしの飾り躾」のついた、第一礼装にふさわしいきちんとした仕立ての着物 が大切です。
一 方、園遊会は、春秋にそれぞれ天皇、またわ総理の主催で行われています。私は総理主催の園遊会に毎年お招きを受けておりますが、園遊会に は訪問着を着用します。
「平服で」とお知らせいただきますが、総理はブラックスーツ、総理夫人は訪問着かアフタヌーンドレスでお迎えに なってくださいますので。
出席 の女性の皆さんは、日の光に映える色柄の訪問着や付け下げで、着物や帯に季節感を取り入れた装いを楽しんでいらっしゃいます。華やかとは いえ晴の日の装いですので、半襟は白を用います。帯揚げも白またはごく淡い色の綸子や絞りが美しいものです。